金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

21

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
IS DESIGN 池田 英樹 社長

コラボで金型づくり
DSC09422
設計や立ち上げで金型メーカーをサポート

自動車や弱電関係などの射出成型用プラスチック金型設計業を行う。2001年に同社を創業した池田英樹社長は成形メーカーの出身で、その後中国事務所(厦門科樂普科枝有限公司)を立ち上げ、中国での活動を始める。
大手製品メーカーが中国などアジア諸国に製造拠点を設ける動きが加速し、金型の現地調達化も進んでいることから、日本企業と中国企業双方の強みを生かしたビジネスを考え、「コラボ金型」の取り組みを始める。「コラボ金型」とは、国内金型メーカーの依頼を受け、同社を経由して中国金型メーカーに生産委託する金型製作総合支援サービスのこと。国内金型メーカーと同社との入念な打ち合わせによって承認された金型図面を中国事務所に送り、そこから依頼を受けた金型の特長、精度などに合わせて最適な中国金型メーカーを選択。製造・トライ時の立ち上げ、指導などは同社が行い、国内金型メーカーの時間やコストを削減する。池田社長は「このサービスは国内の金型メーカーから中国で製造できないかと相談を受けたことから始まった」と話す。金型製作仕様書を中国向けに翻訳することや製造された金型の輸入業務などは同社で行い、国内金型メーカーの利便性向上を図っている。
同サービスは大阪府より「経営革新計画承認企業」に認定された。同社は日本金型工業会の会員でもあり、今後顧客開拓に向け注力している。

DSC09430
日本の金型の一助になるため

プラスチック射出成型用金型設計を主力に、前述の「コラボ金型」に加え、3Dプリンター(オランダ製)などを用いた「試作モデル」も行っている。国内製品メーカーから受けた試作品製作を中国の試作モデルメーカーに依頼することもある。中国企業との関係性が強いと感じるが、「金型設計以外のコラボ金型を含む他のサービスは国内金型メーカーが受注してもらうためのサービス」だと池田社長。国内での金型受注が増加すれば、主力の設計事業も受注量が増える。「国内の金型メーカーの一助になることが前提だ」。展示会に出展すれば、展示会先で出会った商社やメーカーから金型メーカーの紹介を依頼されることも多々あり、企業と金型メーカーの間に立って、互いの利益を図る取り組みに力を注ぐ。
次に向け取り組んでいるのはホームページのリニュアール。「現在は会社概要程度だが、ホームページから受注が得られるような営業マン的な役割を担えるものに作り上げたい」。年内までに完成予定としている。社内体制の構築も大切だ。同社には営業マンがおらず、営業の経験も少ないため、社員全員に営業マンとしての役割を必要とする。「当社には営業ノウハウというものがなく、外部から営業の指導を受けることもある」と池田社長。まずは受注量を増やし、社内での設計の技量を上げながら仕事をこなす体制を構築したのち、営業体制も整えていく。

DSC09424
会社メモ

代表者=代表取締役・池田 英樹氏
=専務取締役・田中 正雄氏
設立=2006年
主な事業=射出成型用プラスチック金型設計、製品設計、試作モデル、コラボ金型
従業員=5人
住所=大阪府八尾市佐堂町2-3-15久宝ビル301
電話=072・929・1336
FAX=072・929・1338
E-mail=mail@is-design.net
協力会社=厦門科樂普科技有限公司
LY未来科技厦門有限公司
太田設計事務所
所属団体=日本金型工業会
大阪中小企業家同友会 東大阪西支部
八尾商工会議所
主な設備=CADmeister(日本ユニシス)、CADCEUS(日本ユニシス)、MYPAC(倉敷機械)など。

金型新聞 平成26年(2014年)9月10日号

関連記事

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -連携-

PART1 共和工業 相談役・岩渕学氏(日本金型工業会副会長)に聞く「連携」 連携強化は時代の必然 個社が自律した  新たな協業のカタチを 金型メーカーの本質を突き詰めると「連携」が不可欠なのは明らかです。では、そもそも…

独自の型構造を採用
トヨタ自動車

アンダーカットで新工法  トヨタ自動車は独自の金型構造を採用した新たなアンダーカットの処理方法を開発した。これまでに比べて高い意匠面が得られるほか、設計時間の短縮や、金型の保全の手間削減にもつながる。この機構は特許も取得…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -取引適正化-

PART4 日本金型工業会 専務理事・中里栄氏に聞く「取引適正化」 取引ガイドラインを改定 イコールパートナーに  ユーザーの意識にも変化 現在、春先に公表予定の「金型取引ガイドライン」の改定版の策定に取り組んでいます。…

加工プログラムの効率化 テンプレートで時間短縮、3DCADで自動作成【特集:2022年金型加工技術5大ニュース】

金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…

―成形をゆく― <br>藤川金属工業(大阪市西成区)

―成形をゆく―
藤川金属工業(大阪市西成区)

アルミインパクトプレス加工 車載用高精度品を強化  「インパクトプレス成形」という工法を藤川金属工業(大阪市西成区、藤川浩史社長)ではじめて知った。自動車パーツ部品などの機能部品を平板から金型1型で三次元形状品に絞る順送…

トピックス

関連サイト